日本の富を守り、取り戻し、再び生み出す。

世相の道

「利権と向き合う高市内閣」――高市政治の核心

なぜ日本では、これだけ働いても豊かさを実感しにくいのでしょうか。

なぜ賃金が伸び悩み、地方から若者が減り、少子化が続き、かつて世界を席巻した日本企業や産業の存在感まで薄れてきたのでしょうか。

もちろん、日本が抱える問題を一つの原因だけで説明することはできません。

しかし、その根底にある大きな問題の一つが、

「日本で生み出された富が、日本国内で十分に循環し、次の成長へ再投資される力が弱くなってきたこと」

ではないでしょうか。

この視点から見ると、一見バラバラに見える高市内閣の政策が、一本の線でつながってきます。

経済安全保障。

国内投資。

AI・半導体・造船。

外国資本。

サイバー。

情報防衛。

防衛力。

地方経済。

すべての中心にあるのは、

日本の富、技術、情報、人材、企業、産業基盤、そして国土そのものを守り、日本国内への投資を増やし、日本自身が再び富を生み出せる国にすること。

私は、ここに「高市政治」の核心があると考えています。


■ 日本企業が生み出した富は、誰に帰属するのか

まず考えたいのが、日本企業の株式です。

2025年度の株式分布状況調査では、外国法人等による日本株の保有比率は、市場価格ベースで**34.7%**という高い水準に達しました。

ここで誤解してはいけません。

外国からの投資そのものが悪いわけではありません。

海外からの健全な投資は、日本企業へ資金を呼び込み、企業価値や成長を支える力にもなります。

しかし株式を保有するということは、その企業が将来生み出す利益に対する持分を持つということでもあります。

日本で働く人々が生産し、日本の技術を使い、日本企業が利益を上げても、その一部は配当などを通じて海外株主へ帰属します。

さらに議決権を通して、企業経営にも一定の影響力を持ちます。

だから問題は、

「外国人だから悪い」

という話ではありません。

問うべきなのは、

日本の重要企業、重要技術、重要インフラ、そしてそこから生み出される富について、日本がどこまで主体性を維持できるのか。

これは単なる株式市場の問題ではありません。

経済主権と安全保障の問題でもあるのです。


■ デジタル赤字――便利になるほど海外へ支払い続ける構造

もう一つ見逃せないのが「デジタル赤字」です。

クラウド。

ソフトウェア。

OS。

ネット広告。

動画・音楽配信。

AIサービス。

各種プラットフォーム。

今や企業活動や日常生活に欠かせないデジタル基盤の多くを、海外企業へ依存しています。

通常の商品なら、一度輸入して購入すれば終わります。

しかしデジタルサービスは違います。

使い続ける限り、利用料、ライセンス料、広告料などを継続して支払います。

経済産業省は、現在の傾向が続いた場合、2030年にはデジタル赤字が約10兆円規模まで拡大するおそれを示しています。

だからといって、海外サービスを締め出せばよいわけではありません。

必要なのは逆です。

日本自身が世界から利用料を受け取る側になること。

日本発のAI。

ソフトウェア。

クラウド。

半導体。

サービス。

コンテンツ。

そうした産業を育て、

「海外へ支払わない国」ではなく、「世界から稼げる国」になる。

その力を取り戻す必要があります。


■ 日本経済に圧倒的に足りなかったもの――国内投資

ここから高市政治の本丸につながります。

高市総理は、日本の潜在成長率が主要国より低い要因について、

「圧倒的に足りないのは、資本投入量、すなわち国内投資」

と明言しています。

その上で打ち出したのが、

「危機管理投資」と「成長投資」

です。

経済安全保障。

食料安全保障。

エネルギー・資源安全保障。

医療。

国土強靱化。

サイバーセキュリティ。

これら国家の弱点を減らすための「危機管理投資」。

そして、

AI。

半導体。

造船。

量子。

宇宙。

先端技術。

これら日本の稼ぐ力を伸ばす「成長投資」。

高市内閣は、長期的な官民投資によって、日本国内に再び産業と富を生み出す基盤を作ろうとしています。

これは単なる景気対策ではありません。

日本国内にもう一度、「富を生み出す装置」を作り直す政策です。


■ 国富は「守る」だけでは増えない

ここが重要です。

技術流出を防ぐ。

重要企業を守る。

情報を守る。

重要物資の供給網を守る。

インフラを守る。

もちろん、すべて必要です。

しかし、

守っているだけでは、日本は豊かになりません。

守った技術を国内で事業化する。

研究開発をする。

工場を建てる。

日本の技術者を育てる。

新しい企業を生む。

雇用を増やす。

所得を増やす。

消費を増やす。

企業利益を増やす。

そして、その利益を再び研究開発や設備投資へ回す。

つまり、

守る

投資する

育てる

世界で稼ぐ

所得を増やす

再投資する

この循環です。

高市内閣は2026年7月にも、国内投資を起点として日本を成長軌道へ乗せる方針を改めて明確にしています。


■ そして、富を生み出す国には「その富を守る力」が必要になる

ここまで経済を考えると、必ず防衛へ行き着きます。

どれだけ優れた技術を生み、

どれだけ強い企業を育て、

どれだけ豊かな国を作っても、

その国土、国民、産業、技術、海域、空域、宇宙、情報を守る力がなければ、国家としての自立は完成しません。

2026年度の防衛関係予算は、

9兆353億円。

初めて9兆円を超えました。

ただし、ここは正確に見る必要があります。

現在の大幅な防衛力整備の基本となる「防衛力整備計画」自体は2022年に決定されたものです。

したがって、

「防衛費9兆円路線を高市内閣が一から作った」

という話ではありません。

高市内閣は、その防衛力強化を継承しながら、2026年度に9兆円を超える防衛関係予算を編成し、さらに新しい安全保障環境に合わせた制度・組織改革を進めています。

ここが重要です。


■ 防衛費9兆円――しかし「金額」だけを見てはいけない

防衛予算の増額というと、

「武器をたくさん買う」

というイメージだけで語られがちです。

しかし実際には、

スタンド・オフ防衛能力。

ミサイル防衛。

無人装備。

宇宙。

サイバー。

基地・施設の強靱化。

研究開発。

防衛生産基盤。

自衛官の処遇改善。

など、国家防衛の基盤全体に予算が振り向けられています。

2026年度だけでも、施設の強靱化には8,784億円、研究開発には2,907億円規模が計上されています。

つまり、

防衛力とはミサイルの本数だけではありません。

研究者。

技術者。

製造企業。

サプライチェーン。

基地。

通信。

人工衛星。

サイバー。

そして実際に任務に就く自衛官。

そのすべてを支える国家基盤なのです。


■ 防衛費だけではない――法律そのものを作り替える

そして高市内閣の防衛政策を見る上で重要なのが、

「予算だけではなく法整備も進めている」

という点です。

2026年には、防衛省設置法等の一部を改正する法律が成立しました。

これにより、

航空自衛隊を「航空宇宙自衛隊」へ改編。

さらに、

宇宙作戦集団を新設。

南西地域の防衛体制を強化するため、

陸上自衛隊第15旅団を第15師団へ改編。

自衛官の再就職支援や若年定年退職者給付金制度など、人材確保に関する制度も強化されます。

これは名前を変えるだけの話ではありません。

現代社会では、

通信。

GPS。

気象情報。

ミサイル警戒。

偵察。

通信衛星。

これらの多くが宇宙空間と結び付いています。

防衛大臣自身も、宇宙利用なしには国民生活が成り立たない状況を踏まえ、宇宙領域の防衛体制強化が必要だと説明しています。

つまり、

陸・海・空だけを守る時代から、宇宙まで含めて国家を守る時代へ。

自衛隊そのものの構造が変わり始めています。


■ 「装備」だけではなく「人を守り、人を確保する」

さらに2026年6月には、

予備自衛官等兼業特例法

が成立しました。

国家公務員や地方公務員が予備自衛官等として活動する場合、招集に応じやすくするための制度を整備するものです。

これは地味に見えます。

しかし国家防衛において非常に重要です。

最新兵器があっても、

戦闘機があっても、

艦艇があっても、

それを動かす人がいなければ防衛力にはなりません。

防衛とは、

装備の問題であると同時に、人の問題でもある。

予算だけでなく、人材を確保するための制度にまで手を入れているところを見る必要があります。


■ 防衛産業は「国内投資」であり「安全保障」でもある

ここで、この記事の経済政策と防衛政策がつながります。

防衛装備品をすべて海外から購入すれば、日本国内に残る産業基盤は弱くなります。

逆に、

日本企業が研究する。

日本国内で製造する。

国内企業から部品を調達する。

技術者を育成する。

研究開発を蓄積する。

これは防衛であると同時に、

国内投資であり、産業政策です。

政府は防衛生産・技術基盤について、

「いわば防衛力そのもの」

と位置付けています。

2023年に成立した防衛生産基盤強化法も、高市内閣以前に整備された制度ですが、サプライチェーン強靱化、国内製造、企業のサイバー対策などを支える重要な基盤として現在も機能しています。

つまり、

半導体、AI、造船、宇宙、防衛、サイバーは別々の産業ではありません。

経済安全保障と国家防衛の境界線は、急速に薄くなっているのです。


■ サイバー空間も、すでに「国防」の一部である

現代の戦争や国家間競争は、ミサイルが飛んでくるところから始まるとは限りません。

発電所。

通信。

金融。

物流。

病院。

政府機関。

企業。

こうした社会インフラがサイバー攻撃によって停止すれば、武力攻撃を受けていなくても国家機能は大きな打撃を受けます。

2025年には、

サイバー対処能力強化法

及び関連法が成立しました。

これは高市内閣成立以前の法整備ですが、高市内閣はその制度を引き継ぎ、重要インフラや官民連携を含むサイバー安全保障強化を進めています。

経済安全保障。

防衛。

情報防衛。

サイバー。

もはやこれらは、別々に考えることができません。


■ 情報を守る――「漏れてから処罰する国」からの転換

そして高市氏が経済安全保障担当大臣時代から強く取り組んできた政策の一つが、

セキュリティ・クリアランス制度

です。

2024年に成立した重要経済安保情報保護活用法によって、重要な経済安全保障情報について、適性評価を受けた者に取扱いを限定する制度が整備されました。

重要なのは、

「秘密を漏らした後で罰する」

だけではないということです。

その前段階で、

「誰を重要情報へ近づけるのか」

を確認する。

これは国家情報を守る上で、大きな転換です。


■ 国家情報局――日本のインテリジェンス改革

さらに2026年7月31日、

国家情報会議

国家情報局

が発足しました。

従来の事務次官級の内閣情報会議を閣僚級へ格上げし、内閣情報調査室を発展的に解消して、官邸直属の国家情報局へ再編したものです。

これによって、

情報を集める。

分析する。

政府内で共有する。

国家として判断する。

というインテリジェンス機能を、より強く統合する体制が作られました。

高市総理自身も、これはインテリジェンス改革の**「第一歩」**にすぎないとしています。

つまり日本は、

「情報が漏れてから対応する国」から、
「情報を守り、集め、分析し、危機を未然に察知する国」へ

動き始めています。


■ その先にある、包括的なスパイ防止関連法制

ただし、ここも正確に区別する必要があります。

現時点で、

「包括的なスパイ防止法が成立した」わけではありません。

現在存在するのは、

特定秘密保護法。

重要経済安保情報保護活用法。

セキュリティ・クリアランス。

国家情報局。

サイバー関連法制。

など、それぞれ異なる役割を持った制度です。

そして今後は、外国勢力による情報収集や影響工作への対応を含め、より包括的な防諜法制をどう構築するのかが次の課題となります。

つまり日本が目指しているのは、

単純に一つの「スパイ防止法」を作って終わることではありません。

情報を守る。

重要情報へ近づく人物を確認する。

外国勢力の活動を把握する。

情報を収集・分析する。

サイバー攻撃へ対応する。

影響工作を可視化する。

こうした制度を重ね合わせた、

総合的な防諜・インテリジェンス体制

を作ることです。


■ 外国投資を排除するのではなく、「重要なもの」を国家として守る

外国投資についても同じです。

2026年6月には、

対日外国投資委員会(JFIC)

が設置されました。

目的は、

外国資本を締め出すことではありません。

健全な外国投資は歓迎する。

その一方で、

投資先企業が防衛装備品や重要物資のサプライチェーンでどんな役割を持つのか。

どのような重要技術を保有しているのか。

安全保障上どんな意味を持つ企業なのか。

これを省庁横断で審査できる体制を作るものです。

つまり、

「誰が買うのか」だけではなく、
「何を買おうとしているのか」まで国家として見る。

これこそ経済安全保障です。


■ 地方再生も、この国家戦略の中にある

地方政策も切り離して考えるべきではありません。

若者に、

「地方に残れ」

と言っても、働く場所がなければ残れません。

必要なのは、地方そのものに産業を作ることです。

高市内閣は、

47都道府県のどこに住んでいても、安心して生活でき、働く場所がある国

を目指す姿として掲げています。

地方へ企業が投資する。

産業が生まれる。

仕事が生まれる。

若者が残る。

所得が安定する。

消費が増える。

地域企業が成長する。

そこへ再び投資が起こる。

この循環なくして、本当の地方再生はありません。

少子化についても、原因を経済だけで説明することはできません。

しかし、将来の所得や雇用への不安が、結婚や子育てをためらわせる大きな要因の一つであることは否定できません。

だから、

経済政策、地方政策、少子化政策、安全保障政策は、本来すべて無関係ではない。

国家の基盤を強くするという一点でつながっています。


■ 「利権と向き合う」とは何なのか

ここで、あえて「利権」という言葉について整理しておきたいと思います。

ここで言う「利権」とは、

特定の個人や企業が違法行為をしていると断定する意味ではありません。

問題なのは、

時代が変わっても変えられない制度。

特定の仕組みに依存し続ける構造。

安全保障より短期利益を優先してしまう慣行。

国内でできることまで海外依存を当然としてきた政策判断。

そうした長年固定化してきた構造です。

政策を変えれば、必ず得をする側と損をする側が生まれます。

国内投資を増やす。

サプライチェーンを国内へ戻す。

外国投資の審査を強化する。

情報管理を厳しくする。

防衛産業を国内で育てる。

土地取得のルールを見直す。

こうした政策は、従来の仕組みを変える以上、当然さまざまな抵抗を伴います。

だからこそ、

「利権と向き合う」とは、誰かを敵にすることではなく、国益を基準に制度そのものを見直すこと。

私は、その意味でこの言葉を使いたいと思います。


■ 私が考える「日本人ファースト」

「日本人ファースト」という言葉も、外国人排除の意味だけで使うべきではないと思います。

日本人が働いて生み出した富を守る。

日本の技術を守る。

情報を守る。

日本企業を育てる。

日本国内へ投資する。

地方にも仕事を作る。

国土を守る。

海を守る。

空を守る。

宇宙を守る。

サイバー空間を守る。

次の世代へ産業、技術、社会基盤を残す。

その上で世界と堂々と交易し、健全な投資を受け入れ、

日本自身も世界で稼ぐ。

それが本当の意味での、

「日本の国益を最優先する政治」

ではないでしょうか。


■ 「高市政治」の核心とは何か

こうして並べてみると、高市内閣が進めている政策はバラバラではありません。

責任ある積極財政。

国内投資。

AI。

半導体。

造船。

宇宙。

防衛産業。

防衛費9兆円超。

航空宇宙自衛隊。

サイバー安全保障。

セキュリティ・クリアランス。

国家情報局。

外国投資審査。

地方産業。

その根底には、一本の線があります。

日本の富を守る。

日本の技術を守る。

日本の情報を守る。

日本の国土と国民を守る。

日本国内へ投資する。

日本の産業を育てる。

世界で稼ぐ。

雇用と所得を増やす。

地方へ富を循環させる。

そして、

そこで生まれた富を、再び日本の未来へ投資する。

国富とは、銀行口座に積み上がった数字だけではありません。

企業です。

技術です。

情報です。

土地です。

海です。

人材です。

研究力です。

産業基盤です。

防衛力です。

そして何より、

次の世代が、自分たちの力で新しい富を生み出し、自分たちの力でその国を守れる国家そのものです。

守るべきものは守る。

しかし、

守るだけでは終わらない。

日本で生み出した富を国内へ循環させ、さらに大きな価値を生み出す。

そして、その豊かさを日本自身の力で守る。

「守る日本」から、
「守り、育て、世界で稼ぎ、自ら守れる日本」へ。

「日本列島を、強く豊かに。」

この言葉を政策ごとに分解していくと、

単なるキャッチフレーズではなく、

経済力、技術力、情報力、防衛力を一体として強化する国家像

が見えてきます。

私は、そこに「高市政治」の核心があると考えています。

※制度・予算・組織の状況は、2026年8月24日時点で公表されている政府・公的資料を基に整理しています。

河瀬昌良

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